子宮筋腫

種類

主な症状

過多月経、貧血、強い月経痛（月経困難症）、頻尿、腰痛、下腹部の張り、不妊の原因になることもあります。

検査方法

内診、経腟超音波検査、必要に応じてMRI検査などを行い、筋腫の数や位置、大きさを評価します。

治療

症状やライフスタイルに合わせた治療を一緒に考えていきます。お気軽にご相談ください。

子宮腺筋症

子宮内膜が本来あるべき場所以外である筋肉層に入り込み、子宮が腫れて硬くなる病気（子宮内膜症の一種）です。良性ですが、痛みや出血が強く日常生活に支障をきたすこともあります。

主な症状

強い月経痛（月経困難症）、過多月経、貧血、頻尿、下腹部の圧迫感・重さ、不妊など

検査

経腟超音波検査やMRIで診断します。子宮筋腫との見分けが難しいこともあります。

治療

• 鎮痛薬、鉄剤、止血剤や低用量ピル、黄体ホルモン、GnRH製剤などで症状を抑えます。
• 妊娠を希望しない方には、手術（子宮全摘）を選択することもあります。

子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ・子宮頸がん・子宮体がん（子宮内膜がん）

これらは主に不正出血の原因となる病気です。詳細は不正出血のページをご覧ください。

子宮内膜症

本来子宮内にあるはずの内膜が、卵巣や腹腔内にできてしまい、月経のたびに炎症や出血を起こす病気です。慢性的な痛みや不妊の原因となることがあり、20〜40代の女性によく見られます。

好発部位

• 卵巣（チョコレート嚢胞）
• ダグラス窩（子宮の後ろ）
• 仙骨子宮靭帯など

主な症状

• 月経困難症
• 排便・性交時の痛み
• 慢性的な下腹部痛
• 腰痛
• 不妊など

治療

卵巣腫瘍

卵巣にできる腫瘍には良性と境界悪性・悪性があり、良性のものでも大きくなると捻転や破裂のリスクがあります。

検査

経腟超音波、CT、MRI、腫瘍マーカーなどで診断します。

良性腫瘍の例

治療

腫瘍の大きさや症状に応じて、経過観察または（腹腔鏡）手術などを行います。

卵巣がん

初期症状がほとんどなく、発見が遅れやすく治療が難しい病気です。現在のところ有効な検診方法もなく、定期的な検査で早期発見することは困難です。

主な症状

下腹部の痛み、腹部膨満感、頻尿、消化不良、吐き気など。腫瘍の破裂や捻転が起こると急激な痛みが出ます。

検査

超音波、MRI、腫瘍マーカーなどを用います。確定診断は、手術で腫瘍を摘出して組織検査を行うことで確定します。

治療法

下腹部痛

女性の下腹部痛では、まず妊娠の有無を確認することが大切です。そのうえで、婦人科・消化器・泌尿器の病気を見分けていきます。鑑別には、問診（終月経、妊娠や性交の有無など）、痛みの性質、月経との関係が重要です。さらに必要に応じて、血液・尿検査、超音波、内診、CT、MRIなどの検査を行います。

主な原因の一例

気になる症状があるときは、我慢せずに早めに受診しましょう。

異所性妊娠（子宮外妊娠）

詳しくは妊娠中のお悩みのページをご覧ください

卵巣出血

排卵や外的な刺激によって卵巣の表面が破れ、出血する状態です。20～30代の女性に多くみられますが、排卵がある限り年齢に関係なく誰にでも起こる可能性があります。

治療

多くは、安静にすることで自然に出血が止まり回復します。出血が多い場合は、輸血や手術が必要になることもあります。

卵巣茎捻転

卵巣が靱帯を軸にねじれて血流が止まり、激しい痛みを引き起こす状態です。5〜6cm以上の腫瘍では起こりやすくなります。

治療

緊急手術で捻れを解除します。腫瘍を摘出し、可能なら卵巣を温存します。時間が経つと摘出が必要になることもあります。

卵巣腫瘍破裂

腫瘍が破れて内容物が腹腔に漏れ出すと、強い痛み・吐き気・出血が起こります。チョコレート嚢胞では内容物が炎症を起こすこともあります。

治療

出血や痛みの程度に応じて、緊急手術が必要なこともあります。

骨盤内炎症性疾患（PID）

性感染症などにより子宮・卵管・卵巣に炎症が広がる病気です。治療が遅れると卵管閉塞や不妊の原因になることもあります。
詳しくは性感染症のページをご覧ください